「大体分かる」「きちんと作れる」

マークアップエンジニアはどこへ向かうべきか(を考えてたらカッとなって LL の資料公開)
マークアップエンジニアのキャリアパス
いろいろ思ったこと。

CSS ハックとかは凄く短期的な知識で、本来の長期的に使える CSS の知識って実はそんなに難しくない。今後の新しい展開としてセレクタやプロパティが増えても、ボックスモデルと HTML が分かってれば大体対応できる。

「大体分かる」と「きちんと作れる」の間には深くて広い谷がある。
その技術を離れた瞬間から、自分の知識が劣化し「きちんと作れない」状態になるのを意識するべきだ。
「そのときは」凄腕の開発者であっても、現場から3年も離れれば「きちんと作れない」状態になる。
現場を離れマネジメントに退いた後、「自分の知識」と「時代」の距離感を見誤り、現場からは「知識もロクにないのに色々突っ込んできて。全然分かってねぇよ」と揶揄され、技術コントロールに失敗してしまう原因もここにあるのではないか。

なぜならWeb周辺の開発技術は完熟しきっておらず、ブームみたいなものも含め、ひどく流動的だから。
時代によって「きちんと作れる」為の「よい方法」は変遷していく。
「きちんと作れる」ぐらい継続的にキャッチアップしていく為の条件は「優秀か否か」であることより「現場であり続けること」のほうが重要な気がする。

とはいうものの「マークアップエンジニア」が継続的な専門職たりえるか?という疑問は残る。
SEO以降確かに状況は若干明るくなったが・・・、でもやはり構成技術の One Of Them にしか過ぎないのではないだろうか。
これは別に CSS に限らず、JavaScriptPerlPHP等でも同じだと思うが。

個人の話をすれば、「得意領域」は持っておくべきだが、スキルセットは幅広くあるべき。
また企業の話をすれば、HTMLに関わる人々全てが「大体分かる」ことは当然としつつ、CSSが得意なデザイナ(或いはエンジニア)を確保しておき、「きちんと作れる」状況にしておくのがいいと思う。或いは最新技術動向へのキャッチアップをタスクとして設定しておく、とか。

ちなみに以前から書いているがスキルという言葉はあまり好きじゃない。
それは「よい仕事をよい方法でやる」為の手段にしか過ぎない。
スキルで判断されるということは交換可能な人材であるということを意味するので。