「日本の優秀企業研究」読了とか

これはなかなか面白かった。



トヨタ花王任天堂とかの優秀企業をとりあげて、「何が優れているのか?」の条件を見出そうとした本。

以下、その条件。
「分からないことは分けること」
「自分の頭で考えて考えて考え抜くこと」
「客観的に眺め不合理な点を見つけられること」
「危機をもって企業のチャンスに転化すること」
「身の丈にあった成長を図り、事業リスクを直視すること」
「世のため、人のためという自発性の企業文化を埋め込んでいること」

こう書いてみると当り前のことが多いな。

興味深いのは「多角化」は相当困難だとか、「外部からのカネ、ヒトの調達」の効果や「監視のガバナンス」は限定的だということ。
あと、アメリカの優良企業のCEOも実際には内部出身者が多いらしい、とか。

多角化といえば、GEらしいのだけど、GEはカンパニーの社長育成にすげーコストをかけているとか。
って、価値の共有を重視していて、
「どんなに優秀でもバリューを共有できない人間には辞めてもらう」

ヤマト運輸の宅配便の話とか。
宅配便サービス開始時、小倉社長は「サービスが先、利益が後」って口を酸っぱくして言っていたらしい。
これは実は理由があって、宅配便は取り扱い数量が損益分岐点を超えるまでは赤字を生む商売であり、取り扱い数量を増やすにはサービスを良くするしかなく、だからこそ「サービスが先」と言い続けていたんじゃね?とか。

あと、シマノ(自転車部品メーカー)の「システムコンポーネント」の考え方は外部に向けてはモジュール型だが、内部的には擦り合わせ型だよ、とか。

で、筆者は優秀な企業像をこう結論づけている。

「自分たちが分かる事業を、やたら広げずに、愚直に、真面目に自分たちの頭できちんと考え抜き、情熱をもって取り組んでいる企業」


まぁ色々書いてあるから読んでみるといいさ。