「トップ営業マンを見習うな!」とか

さっくり読んだ。



本の帯には、

「普通の人」が天才をまねても不幸になるだけ。



とあるけど、まさにそんな感じの本で、普通の人が普通に頑張って、それなりの成績を上げるにはどうすればいいか、
普通の人の為の営業心得の本。
要は「自分の得意領域を伸ばしてそれを武器にした、顧客中心の営業をやりなさい」ってことなんだけど。

自分は営業ではないんで業務領域からはずれるのだけど、「天才のやりかた」「凡才のやりかた」を営業マンというフィルターを通して分析しようとするのはなかなか面白かった。
エンジニア業界でも「天才論・凡才論」っていうのは昔からあるわけだし、構図としても非常に似通ったものがあるよね、と。

この本では、モーレツ型なトップ営業マンが描かれているのだが、そもそも精神構造が違うのだから、普通の人が目指すのはムリだと断言する。

トップ営業マンの特徴

・異常に頑張る人たち ・押しが強く、断りにも強い ・単純であり、鈍感でもある ・原理原則は踏まえている


天性のもの(或いは異常性)はあるが、それと同時に「原理原則に忠実である」という点。

異常な頑張りや特異なノウハウの陰に隠れがちだが、トップ営業マンは原理原則を踏まえた営業を展開している。言い換えれば、彼らは天性の営業力に加えて営業の原理原則を大切にするから、同僚営業マンに圧倒的な差をつけることができるのである。



幾つか興味深かったものを抜粋。

「営業力は先天的なものか、後天的なものか」と問われれば、私は迷うことなく後天的なものと答える。商品知識、情報活用、ニーズの把握、提案といった営業力の要素は、学べば誰にだってマスターできるものである。 しかしトップ営業マンが持つような営業力は、大部分は「先天的なもの」と言わざるを得ないだろう。


トップ営業マンは生まれつきのものである、という論のダメ押しをしておこう。それは「トップ営業マンに師がいる」とか「トップ営業マンがトップ営業マンを育てた」という話を聞いたためしがないことである。


あと、トップ営業マンへの要望。

1.「真っ当な努力」を強調してほしい。 2.「営業の理(ことわり)」に強くなってほしい。 3.お客の声を聞いてほしい



詳しいことは読んでみればいいさ。

まあそれはともかく。

「スーパープログラマはスーパープログラマを育てられない」という命題を立てたとしたら、それの真偽はどうなのだろうね。
営業マンの場合は「ムリ」と断言しているわけだが。
プログラマにも「コードが好きになれるか否か」と重要な資質があるわけで、そのへんは営業マンと同じかもしれん。

世の中には「スーパープログラマへの憧れ」を煽ったものが割とあるけど、
実は「トップ営業マンを目指せ!」と同じことを言っているのではないのか?とか。
普通の人が普通のよいプログラマーになる指針のほうが重要なのかな。
ああ、でもそれっぽいプログラマー啓発本も割と出ているな。
ただその多くは「PG から SE から PM」という例のキャリアパス+35歳限界説のセットがくっついている気がする。

とりあえず、「得意なこと、好きなことをやりたいようにやって、伸ばすしかない」という極々当たり前な結論に。