新しいIT技術を習得するとか

無駄な育成投資

営業が「仕事になるから」と言って、大勢の社員に講習を受けさせたが、あてにしていた顧客担当者が異動になって、無駄な投資になったとか。

「これからxxxというソリューションを売っていくんだ」と言って、一年近くそのソリューションに専念させているけど、実際に受託できる見込みがまるで立ってないとか。

遊ばせる社内リソースもロクにないのに、と、ストレスがたまることが多いので。

 

営業、技術の信頼関係

営業は営業で「新しいソリューションをあまり提示してくれない」という不満があるだろう。「でも提示したところで今までちゃんと売り切ったことないでしょ?」と技術者側は不満があって、そもそも信頼関係が。

 

技術者の市場価値

技術者として市場価値が高いのは「イノベーター」か「ラガード」と考える。

「イノベーター」は普及段階では先駆者として扱われるため、大きな先行者利益を得られる。ただし、その技術が普及しないリスクがある。

「ラガード」は単に新しい技術に疎いという意味ではなく、ここでは既に枯れた技術(COBOLとか)をスキルとして有すると仮定する。市場規模は縮小するが、対応できるエンジニア数の減少はそれ以上に激しい為、人材市場からの獲得コストが非常に高くなる。

 

市場価値の現実

しかし、多くのIT技術者はこういった純粋な「技術者」として実は生きることはできない。

IT技術の市場は開放的である為、プレイヤーが多い。

また、IT技術への知見は業務遂行能力の一部でしかない為、純粋たる必要がない。

 

習得の効率

「その技術をいつ覚えるか?」という点ではアーリーマジョリティーの段階が一番効率がよいと思われる。

その段階になると、ある程度の知見やTIPS、書籍が出揃っている為、学習コストが下がっている。

また、IT技術者以外への普及はもう一段階遅い為、受託であれば、十分に顧客の要請を満たすことができる。

 

たとえ、デファクトであっても、代替選択肢が既に存在しているのであれば、それをあらかじめ覚える必要があるか否かは疑問だ。業務で必要になった時点で1ヶ月程度で覚える。「覚えた技術が無駄になる」というリスクを回避する。

 

技術の習得価値

あらかじめ技術を覚えるとしたら「今後金になりそうか否か」「ラクになるか否か」だ。

 

自分の経験上、新規開発受託においては、言語やフレームワークの指定が要件として入ることはあまりない。発注者側が開発体制を維持していなければ、こういう要件は発生しない。多くの発注者は開発チームを所有していない。

 

問題は運用を引き継いだ場合だ。この場合は流石に言語、フレームワークが決まっている。この時は「めんどくさいな」と悪態をつきながら、新しい技術を習得する。

 

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イノベーター理論とは1962年に米・スタンフォード大学社会学者、エベレット・M・ロジャース教授(Everett M. Rogers)が提唱したイノベーション普及に関する理論で、商品購入の態度を新商品購入の早い順に五つに分類したものです。

  1. イノベーター(Innovators:革新者):
    冒険心にあふれ、新しいものを進んで採用する人。市場全体の2.5%。
  2. アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者):
    流行に敏感で、情報収集を自ら行い、判断する人。他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれる。市場全体の13.5%。
  3. アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者):
    比較的慎重派な人。平均より早くに新しいものを取り入れる。ブリッジピープルとも呼ばれる。市場全体の34.0%。
  4. レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者):
    比較的懐疑的な人。周囲の大多数が試している場面を見てから同じ選択をする。フォロワーズとも呼ばれる。市場全体の34.0%。
  5. ラガード(Laggards:遅滞者):
    最も保守的な人。流行や世の中の動きに関心が薄い。イノベーションが伝統になるまで採用しない。伝統主義者とも訳される。市場全体の16.0%。