インセンティブの最大公約数はカネとチカラとか
モチベーション
そもそもは、目標シートへの疑問提示の記事から始まった記事なのだが、
エンジニアにとっては金銭面よりも(もちろんある程度は必要)
どれだけ楽しい仕事ができるかのほうが重要だったりする。
この結論は一部のエンジニアを一般化しすぎるという点で極めて危険である。
「モチベーションの源泉はバラバラであり、それがマネージメントを難しくする」という南場智子の指摘の方がすっと胸に入る。
日本に「モチベーション3.0」が根づかない理由 : プレジデント(プレジデント社)
最近話題に上ることの多い、ダニエル・ピンクの「モチベーション3.0論」は、ある意味では、ハーツバーグらのこうした議論をさらに発展させたものである。彼は、「モチベーション 1.0」は「生存や安心に基づく動機づけ」、「モチベーション 2.0」は「アメとムチに駆り立てられる動機づけ」だと定義し、内面から湧き出るやる気に基づく
「モチベーション3.0」こそが、創造性を要する高度な知的業務に携わる現代の労働者には、重要な「やる気」の源泉だと主張する。
モチベーション3.0は必要充分な報酬が与えられていることが前提とは思う。
ただ、日本の多くの企業はそれが充分ではない為、その前提が成立しない。
インセンティブの最大公約数はカネとチカラ
多くのエンジニアや労働者に有効なインセンティブの最大公約数はカネ(報酬)とチカラ(人事権、決裁権などの裁量)だと思う。
そこを無視して、経営陣がポエム化(精神主義)を目指すと、立派なブラック企業が出来上がる(「システムの問題を各人の精神主義で解決しようとする」)。
目標管理シートへの批判
目標管理シートが有効に機能していない、という批判だが、「マネージメントの難しさ」に立脚すれば、いささか仕方のないことのように思われる。
批判を受け入れ、粛々と仕組みの改善を続けるしかない。
ただ、目標管理シートは人事評価ツールであり、本来は貢献度測定ツールである。
貢献度を正しく測れず、従業員のモチベーションに対しマイナス効果を与えるならば、やめてしまうのも手だろう。
評価がない会社の現状
なお、目標管理シートどころか、評価や査定がない会社を知っている。
この場合、会社が与える形での、従業員のスキルアップを促すインセンティブが存在しない。
観測結果、彼らが自発的にスキルアップを行うか?と問われると、業務効率化の為、ある程度は取り組むが、低い達成度で満足する者が多い、というのが実情である。