国策SaaSプロジェクトとか

東洋経済5/3で出ていた奴。
「国策SaaS」は中小企業の救世主となるか?――SOABEX研究会の定例会から

財務会計ソフトを国策でSaaSにするってことらしいけど、雑誌での扱いはもっとセンセーショナルだ。

最初からNTTデータが本命 特定企業と癒着か 経産省・疑惑の公募


さらに公平な審査の実施を疑わせるような事実がある。というのも、担当の情報処理振興課にはNTTデータから子会社を経由して出向している係長が在籍しており、この人物こそがプロジェクトの中心人物なのだ。


NTTデータからの出向者がプロジェクト担当者だというのがどうもどうにもらしい。
クライアントに自社の社員を張りつかせて、徐々に影響力を及ぼしていくのはよくやりかたなんだろうけど、
SIer業界では殊更多いというか、大規模・小規模に限らずどこも当たり前のようにやっている。

いや、最近、エンジニア派遣を中心にやっているような会社の人と話す機会があって、
「技術力の高低といったものはクライアントに対し強いアドバンテージにはならない」
というのを思い出した。
だから、他の「技術力以外のもの」が必要になる。
どこまでその組織に入りこめているとか。

国税を投じたプロジェクトなので過度な我田引水では?と問題視されているが、
業務改善を可能にするITの青写真を提案し、それを自社に新規開発案件として発注してもらうなんて、まぁ極々普通に行われていることだよね、とか。
エンジニア派遣という名目で実質的には営業拠点作っているわけだ。

で、

予算としては18億ぐらいで組んでいるみたいなんだけど、「完成したところで税理士費用より安くするのは難しいのではないか?」という意見もあるらしい。
まぁそりゃそうだわな。
税理士費用って価格がないから、安いところに頼むと本当に安いし。
下手すると月額費用がエンジニアの一日単価より安かったりするよ。
自分自身も似たようなこと妄想していて、
「税理士が財務会計Webサービス持てばいいんじゃないの?」って知人に以前話したことあったんだけど、
「税理士費用と競争するには相当安くしないとダメだよ」って一蹴されたことがある。
人間が不在であるのならば、払ったとしても月1000円ぐらいじゃないと納得しないんじゃないのかな。
なので、利用者からシステム利用料金を徴収するモデルだと難しいのかな、というのが感想。
GoogleがタダでWebアプリ配って広告料で儲けているみたいに、別のモデルを考えないとね。

あと、このプロジェクトってe-Taxの利用促進も狙っているらしい。
2010年度までに全納税件数の半分以上が電子申告になることを狙っているらしいが、2007年度の使用率は3%なんだと。
システムを付け足すとかではなくて、根本的な問題がある気もするんだけどね。