CGMってか素人投稿ってか

Zeitgeist(時代精神)
俺のプロ論

CGM・・・というか素人投稿を商業的に成立するものに転化させようという試み自体は別に今に始まったことじゃない。
確かにここ最近のITインフラの急激な発達により流通させるコストは劇的に下がり、「評価する主体」が一部レコード会社や出版社、メディア各社から別のもの・・・システムであったり大衆そのものであったり・・・になったのは認めるとしても、その他大勢の中から一歩「プロ」として抜け出し、なおかつその状態を継続させられる「困難さ」というのはあまり変わってないじゃないのか、と。

素人投稿或いは素人制作の番組企画っていうのはテレビの世界でも昔からあると思うのだが、時間が経るにつれ作品の質の低下が甚だしくなり、視聴者の興味を引き付けることが難しくなって終わってしまうのが関の山。

「プロ」が素人よりも優れたものを作るなんていうのは、そもそもの誤解。 ちなみに、僕が一応プロとしてやってるライターの仕事だって、別に有能だからやらせてもらってるんじゃなくて、編集者なりが自分で書くよりもコストダウンになるから仕事が回ってくるだけだよね。アウトソーシング。僕らは下請け業者。

納期をきちんと守るとかクライアントの要望を理解できているとかほどほどに自己主張を貫くとか曲げるとか、作品の「質」はある程度維持されていればいいわけであって、それ自体は優れた「プロ」であることのワン・ノブ・ゼムでしかないのだろうなぁ。

CGMサイトであるからと言って無条件にいいものが大量に生産される、というわけではなく、そこに存在するコミュニティの意思を反映している訳であり、そのコミュニティの意思形成がシステムないしサイト運用者の思惑の影響から逃れ得ないとすれば、CGMから「本当に」質の高いものが生み出されるか否かは彼ら次第でもあるよね、とは思う。