標準化、伊勢丹システム

Matzにっき【IT Service Forum 2007】「摺り合わせ文化など日本には日本の良さがある」,国内SIベンダーの強みを力説というネタがあった。

標準化。。。

ところで 東洋経済 12/8 に 「全国百貨店で導入相次ぐ”勝ち組”情報システム 『伊勢丹』になりきれない地方百貨店の苦悩」という記事がある。

百貨店の勝ち組、伊勢丹。その好調を陰で支えているのが、独自の情報システムである。商品の販売状況や在庫を管理するPOS連動の商品情報システムと、自社のハウスカードを通じた顧客管理システムを組み合わせたもので、いつ誰が、どこで何を買ったかがすべて記録される。 こういったシステムがほかの百貨店にないわけではない。ただし、商品について、多くの百貨店が管理しているのが、せいぜいブランド、アイテム、カテゴリーまでであるのに対し、伊勢丹の場合、すべての商品の色、サイズにわたるまで、詳細に管理している点が他社とは大きく異なる。いわば「単品管理」である。


伊勢丹システムの導入を計画してたり実際に実施した地方百貨店が幾つかあるらしい。
成功した企業、失敗した企業の事例が掲載されているのだが、成功したと思われる企業への言及。

だが、業績悪化で伊勢丹に支援を求めて以来、その風土が変わった。経営陣に伊勢丹出身者が入ると同時に、仕事の仕方からすべて伊勢丹流を取り入れた。顧客に来店してもらうためには何が必要かを、全社で考えるようになったのだという。 「最初は誰もが葛藤を抱えていたはずだ。でも、システム導入に際して社員は伊勢丹の研修を受け、社内でも随時、サブバイヤー、若手までもがデータの読み方を学んでいる」


妄想。
おそらくトップダウンの風土改革が行われて、すごく抵抗が出てきたと思うし、辞める社員も結構いたんじゃないかな。
ただ、「変わらなくては生き残れない」という焦燥がそこにあるかないか。
「着るべき洋服に体を合わせる」というのはとてつもなく困難なことだ。

ところで「伊勢丹システム」はどこに発注されているかと言えば、伊勢丹データーセンターなのかな。
クライアント構成を見ると、伊勢丹以外の百貨店もやはり入っている。

企業が生き残りをかけてよりよい企業のやりかたを学ぶとすれば、その過程でシステムそのものも導入するということは考えられ、やがては幾つかのスタンダードなシステムが確立するのではないかと考えられる。
ただ相当な「覚悟」だったり「焦燥」といったものが必要だ。

ちなみにシステム導入といえば、郵政公社トヨタ生産方式導入を思い出すのだが、全然違う業界から引っ張ってくるなんて、あれは結局うまくいったのかな。

あと、

講演後半の日経BP田中克己主任編集委員との対談では,「システム開発において日本のSIベンダーはインドのSEと戦えるのか」という問いに対して「(顧客企業の業務ノウハウに強いなど)日本独自の世界でなら,日本がインドに負けるわけがない」と断言。「シリコン・バレーと同じことをしていたら,日本は他国に勝てるわけがない。逆に,日本独自の世界でなら,他国に負けるわけがない」とした。


「顧客要求を理解し、カスタマイズする能力」に日本がインドより勝っている理由がよく分からない。
タタ コンサルタンシー サービシズ の日本法人はまで設立3年ぐらいしか経ってないけど、売上の成長率とかがどうなっているのかちょっと知りたいところ。