「初心者でもすぐに仕事ができる」

PHPは初心者でも分かる」というちょっと前のアレについて。

そもそも「初心者でもすぐに仕事ができる」という文脈はビジネス的に矛盾を抱えている。

初心者でもすぐに仕事ができるのであれば、それはプロである必要はない。
参入障壁が低ければ低いほど、完全競争市場に近くなり、ビジネスとして成立するのが難しくなる。

IT稼業について言えば、経験や学習といったものが参入障壁になっているのだろう。

ただし、プログラミング自体が企業の差別化要因となってない場合、初心者でも分かるは重要な要素となる。
例えば、数十ページある企業サイトの一機能としての質問受付フォームとか。
全体業務からすればそれは非常に小さな要素でしかないし、そこに過剰なリソースを注ぎ込むのはあまり現実的ではないだろう。
かけられるコストがあまりない場合、月に300万の売上は見込める生産性の高いエンジニアを専任であてがうか否か。

おそらく否。
現場のデザイナーが1日2日PHPの本を読んで、ちょろっとフォームを作るか、エンジニアがヒマな時間に対応するのが現実解。
こういう状況が続く限り、「初心者でもすぐに仕事ができる」が求め続けられるのだろうな。

ただ、まぁ「初心者でもすぐに仕事ができる」を「初心者でもすぐに熟練者と同じ仕事ができる」と勘違いし、
その言語を採用してエライ目にあっているプロジェクトは沢山あると思われるけど。