絶望を抱えつつ前進

正直、エンジニアのこだわりを非エンジニアが完全に理解できると希望するのは空しいことだと思う。

なぜきれいなソースコードを書かなければいけないのか。
はっきり言ってしまえば、これはWebのビジネスが成功する為の必須条件ではない。
ただ、エンジニアは将来のリスク・・・、技術的負債がブーメランのようにやがて自分達に戻ってくることを体感的に知っている。
だから、「きれいなソースコードを書かなければならない」と日々の業務を重ねるうちに肌で感じるようになるのだが、そもそもJavaPerlPHPも同じに考えている人々にそれを理解しろというのが土台ムリな話かと。

ただ、逆の話もあるわけで、某業務系システムを使っているユーザさんから聞いたこと。
あるシステムに使いにくい部分がかなりあって・・・登録項目数が増やせないとかUIが自由に変更できないとか・・・、そういうシステムについて不満をすごく感じていたのだが、あとから入ってきた新人がそのシステム不備を当然のことと受け止め、不満の声すら上げないこと。
彼曰く、「本来ビジネスの為のシステムが逆にビジネスに制約を与えている。そしてそれが『当然』となっている。本末転倒だ」と。
これはビジネスよりシステムを理解しているということだろうか。素晴らしい!!

別にエンジニアリングに関わらず、経営であれ営業であれ総務であれ企画であれ、それぞれの分野にはこだわりがあるのだろう。
そして、異分野のことなんか分かるはずないので、「完全なる相互理解なんてムリ」という絶望は常にあるわけで、だからこそ言いたいことは言い合うべきで、お互いに近づこうとする努力が必要だな、と思う。
「皆それぞれ分かり合っている」とカンチガイしている企業ほどなんていうかヤバいところはないよね。