「できるけどやらない」とか

「できるけどやらない」というのがなんだか傲慢に思えるのは、
「できるんだったら、やればいいじゃん」とか思うのだけど、
「コスト的に割に合わない」のであれば、
「だったらできないじゃん」とか。

ってか、サルとシェイクスピアの話ではないが、
金と時間の制約がなければ、そりゃあ誰だってできるわけで。
サルがシェイクスピアの詩篇をタイプする確率。

諸々の制約で「できない」のであれば、やはり、
「できないからお願いします」
となるべきかな、と思うし、
依頼先への敬意を表すのであれば、そう表現すべきだと思うし、
敬意を表すことによって仕事が潤滑に進行するのであれば、
そう表現しておくのは安いものだよな、とは思う。

私感だが、この点において、いわゆるSIerよりWeb業界のプロデューサーやなどが優れていると思うのは、
Webデザイナーなどに対し、
彼らは「自分たちにはできないことをお願いする」、ということが当たり前というか、明確になっているということだろうか。

ってか、現場を離れて数ヶ月もたてば、「できる」が「できなくなる」に変容する・・・、
仮に技術力が落ちていないとしても、トレンドは変化し続けるので、
平均値に比較してレベルが低いものにならざるを得ないだろう。
実際に老害と呼ばれるような現場で何が起きているかというと、
時代にそぐわない古いメソッドを投入することにより、相対的な競争力が落ちているということだろうし。

なお、技術(という形の労働力)を提供する側にも問題があって、
スキルの高低や得意領域を判断できる指針が整備されにくいということか。
指針を示す業界標準みたいなものもあるのだけど、それはあまりに偏った領域だとは思う。
結局は自社ドメインや要求スキルにどれくらい沿うか?という個別判断に頼らざるを得ないし、
だから逆選択と囲い込みといういびつな人材市場になってしまうのだろう。
といいますか、NDAで過去実績の案件名も口外できないとしたら、どうやって判断しろというのか。