エンジニアリングの楽しみより会社での評価が気になり始めたら

閉塞感というか悲鳴にコメントいただいた。

Webサービスは、しばしば誰にも明示的に求められておらず、どこにも存在していない課題を自分たちで作り出し、解決せんがために何かをしていく必要がありますが、そこが考えられる人材がクリエイターという職種になったってことじゃないでしょうかね。

続き。

ロールを専門化するのは全体最適の為には必要なのだと思う。
ただ、現在進行形の組織内での大幅なロール変更は権限が広まる人もいれば狭まる人もいてそれは悲劇だなぁ、と。

「どこにも存在してない課題」だからこそ難しいのだよね。
時にそれは「成功か失敗か評価する為の線引きがない」ってことを意味したりもする。
また、「この年度目標に向かう為にはこういう到達点を目指さなければならない」ということを設定できなければ、「ただの気まぐれで業務を回している」というように見られてしまう可能性もあるかも。
引っ張る人間になんらかのカリスマ性があればいいのかもしれないけど、それは場合によってはひどく劣化するものだし、不確実なことこの上ない。

ところで、はてなはさておき「課題に実際に対応する人」よりも「課題を発見して計画する人」のほうが高い評価を得られるっていうのは結構あちこちの会社で見られる現象だと思う。
(マネージャーとプレイヤーとか「手を動かす」「頭を動かす」とか言い方は色々)

さて、エンジニアリングの楽しみより会社での評価が気になり始めたらどうしようか。
当然そういった会社の中での評価を高めたいのであれば、「課題を発見して計画する人」にシフトしていかなければならないのだが、・・・否、課題発見自体は多分出来ると思うのだけど(課題の拾い上げはトップダウンよりボトムアップのほうが有効だと思う)、「課題を発見して言ったところで自分が対応しなくてはならない」という ケースに陥ることも少なくないと思う。
頑張ればいい?あまり効率はよくないわな。

一つ解決策があるとすれば、自分の代わりに「課題に実際に対応する人」を見つけてくることかな。
外で見つけて入社させちゃってもいいと思う。
それでもって、今まで自分が行ってきた「課題に実際に対応する」作業はその人に任せて、自分はより「評価の高い」業務・・・「課題発見及び計画」にシフトすればいい。
新入社員が毎年入ってくるような会社であれば、後輩が部下としてつくというのはシステムとして出来上がっているのでこのへんはあまり気にする必要もないが、中途入社がメインの場合、結構主体的にやらないと難しい。
今の仕事が自分一人の手で十分に回っていたとしても、「人が足りない。新しい人をいれてつけてくれ」と言い続けるとかね。

とりあえず、黙っていたら上司が判断して人をつけてくれた!ってことはまずない気がする。
そもそもGTDを取り入れたりして仕事すごく効率的に回し、いつも定時で帰れるような人間に更にアシスタントをつける必要なんてあるのか?と。

「人が足りないので部下として入れてくれる」という方法は「もっとモチベーションの上がる仕事をしたい」(或いは「評価のされる仕事をしたい」)という直訴より結構有効な気がする。
手っとり早く形を作れるわけだし、後者の場合は現状の組織体での判断によることが多い・・・そしてそれは今のところ変更するまでもない十分なものになっている・・・のでなかなか動かないのだよね。

ってか「課題に実際に対応する人」の動機付けを大事だよなぁ。
「上はギュウギュウだけど下はスカスカ」というベンチャー企業はありがちなような。