はてなが築いたもの

はてな、アメリカへ 正直なところ「なぜアメリカ?」って気もするけど、アメリカでももしある程度の成果を上げることが出来たのであれば、後に続くITベンチャーにとっては大きな希望となるだろう。 悲しいかな日本発サービスでも結構面白いものはある筈なのに、「日本製」というブランドがややマイナスに働いているのが現状だと思う。 最近でこそ先行者達の努力により、少しは改善された向きもあるが、普及力という面で見るとやはりプラスではないな、とか。

はてなが日本のIT業界に与えた影響は大きいと思う。

まず「会社運営にルールなどない」ということを改めて知らしめたことだろう。 個人的にはGoogleが一歩先を行っている気もするけれど、変則的週休2日だったり、開発合宿だったり、ほりごたつ(笑)だったり、あるべき会社運営というものを徹底的に破壊し続けた。 「ルールを疑え」というのは近藤氏のテーマの一つであり、それが会社運営に如実に反映されている訳なのだが、「ヘンなルールでも本当はよければいいじゃん」と業界に投げ続けた功績は大きい。

あと徹底的な情報開示が企業のブランド力にプラスになることを証明したことは大きい。 情報開示の一つとなるが、個々の社員が「会社の看板を外さないまま」情報発信し続けているのがはてなの大きな特徴であり、社員ブログの先駆けとなったのは否定できないことだろう。 例えば、Klabやサイボウズ、ペパボなど社員ブログを確認できる企業は幾つかあるが、はてなの情報発信に刺激されなければ、もしかするとこういった社員ブログは会社の意向により(全部とまではいかないが)続けるのが難しかったのかもしれない。

それからエンジニアの未来に希望の灯をともしたこと。 ホリエモンが「企業経営者になりたい」若者を増やしたとしたら、はてな(のエンジニア達)は自分達の声を絶え間なく送り続けることにより、「(Web)エンジニアになりたい」若者を増やしていることに貢献しているとは思う。 SIerがどうしようもない閉塞状況に行き詰まり若者に夢を提示できない今、はてな(や他のWeb系ITベンチャー)が果たしている役割は小さくないと思う。

あとはてなブックマークという場(第二のニュー速板)を設けたこととか、新しいWebAPIネタが出れば、まずそれを取り込むのははてなだったよね、とか色々あるけど、細かいので割愛。

ところでアメリカで成功するかどうかは「よい人材を集められるかどうか」が大きな要素になると思う。 そこを乗り越えられれば何とかなるのかならないのか。