報酬モデルとか

以前、日経のコラムで読んだのだけど、賃金モデルとモチベーションの関係について、スポーツの賞金などが研究材料としてよく用いられているそうな。
成果と報酬が公開されている数少ない職業だからだと。

で、ゴルフを研究したある人の話。
1位だけが報酬(賞金)を貰える体系だと、勝負が半分ほど決した時点で、見込みの薄い人々のモチベーションは下がり、手を抜き始めるそうな。
なので全体として成績が下がる。
ただ、そのような場合、2位以下にも報酬を設定することにより、モチベーションを上げることができるらしい。

そもそも成果は努力や本人の資質だけでは決しない、という側面がある。
これが飛び込み営業的なものであれば話は別なのだけど、担当する分野やエリアによって大きく影響されるということもあるから。
だから、「沢山頑張った奴が一番になるから、沢山報酬を貰えるのだ」みたいな考えはすこぶる危険。

で、報酬に多寡を設けなければよいのか?ということになるのだが、
全員が一律に同じ報酬だとやる気がおきないというのは社会主義の失敗を見ても明らかだし、
このへんはバランスなのだろうな。

ところで、『MOTの達人』にも書いてあったけど、
研究開発には数値目標は通用しない側面があるそうな。
もし成果を上げようとするのであれば、皆短期的な目標を設定するだろう。
そしてそれは到達がたやすいということで、安易なものに陥りやすい。
数値目標以外に「本人がやりたがっている」という自己設定の要素が欠かせないらしい。
上司が「これをやりなさい」と課題を与えるのではなく、本人が発見することが必要なのだと。

労働者への原資というものは予算化されているのであって、
「皆さんの給与は50万から30万になります、その代わりに100人の中でトップの研究開発をした人には2000万の特別ボーナスが出ます!」
と言われて納得するのか否かとか。