そこで働きたいと思えるのか

個人のチカラと産業の役割
ソフトウェアの競争力は誰に宿るか

東洋経済5/19の特集は「未来時給」
この手の時給比較の企画はしょっちゅうやっているが、フラット化と絡めたインドにおけるIT産業の現状分析がタイムリー。

インドのIT産業就業者は471万人いて、中国の324万人を上回っているらしい(日本は68万人、米は210万人)のだが、日本とインドの結びつきはそれほど強くはない。
インドにとっての大口顧客はアメリカや欧州であり、日本は1割にも満たない。

何が原因なのか。
インドでのソフトハウスの最大手はタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)という会社らしいのだが、そこの日本法人社長の言葉。

その理由は、梶社長のこんな言葉に隠れていそうだ。「インド人エンジニアの賃金は、確かに日本より安い。だが日本がオフショアに出すプログラミングだけでは、インド人に働く動機を与えられない」。
TCSなどの「IT御三家」に入社する学生は、インド工科大学(IIT)など名門理系大学の卒業生がほとんど。日本でITエンジニアが「3K職場」と嫌われ、新卒学生にそっぽを向かれる状況とは別世界だ。

話は変わって、
最近見たテレビ番組だけど、看護士をスカウトしにフィリピン(多分)の学校を訪れた病院長(?)の話をやっていて、「将来働きたい国は?」との質問に殆ど誰も日本とは応えなかったのを思い出した。
(人気がある国はカナダ)
日本は働く為の条件がすこぶる高かったり、その割には待遇が対してよくなかったりするらしい。
フィリピン人が同僚になる日

看護士とITエンジニアだとまるで話が違うのかもしれないけど、
「日本が魅力ある職場とは限らない。日本からの仕事が魅力ある仕事とは限らない」
というのは心のどこかにひっかけておいていいのかも。

ってかね、そもそも日本人自体が日本でのITエンジニアを続けていくことに困難さを覚えているわけだし、そんな状況で海外の人々がどうしてわざわざ「そこで働きたい」と思えるのか。